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燕 第六話:力




第一節―――――

 

「囲まれた!」

ユイはつぶやいた。深い森の中、あたり一面木と茂みである一帯の、唯一何も無い広場におびき出されてしまった。

 

「クックック!我らが陣へと入り込んだか・・・。」

どこからともなく老人の声が響き渡った。

「我らが狼鬼五人衆、五人で無敵、五人で最強、だがそれだけではない!我らは策士、まんまと偽の情報に掛かりおったわい。」

満足げに老人は語った。

 

「来る。」

ユイと背を合わせた燕はぼそっとつぶやいた。四方八方、あらゆる方向から鎖分銅が飛んできた。地面が割れ、煙が上がる直前に二人は高く跳躍した。それを追ってさらに鎖分銅が宙の二人に襲い掛かる。

「燕!」

ユイの掛け声に燕は黙ってうなづく。垂直に飛び上がった二人は身を翻し、互いの足を蹴って身を回しながら跳んで避けた。受身をとって地面を転がり、飛んでくる分銅と短刀を跳んで避ける。鎖分銅が引き戻される。今度は二人の周囲を彼ら、狼鬼五人衆が回っている。一種の撹乱攻撃と思われる。二人が近づこうと構えるとすかさず分銅は襲い掛かってきた。なるべくお互い近くにいた方がいい、敵が多数と言えど戦力を分断させるよりは共に行動した方がいいのだが。よけるとそこへさらなる分銅が跳んでくる。地面に突き刺さった分銅の鎖を蹴って避け、飛んできた短刀は各自の武器で弾く。ユイは短刀を拾い、それを地面にある分銅の鎖に刺した。分銅は地面に刺さり抜けなくなった。必死に抜いて戻そうとする動作が動く鎖から覗える。ユイは素早くクナイを抜いて深い森の中へと投げつけた。鎖の動きが止まった。

「やりおったわい!!」

老人の声が響いた。と同時に老人が気合を上げてどこからともなく降ってきた。老人のわりにはしっかりした大きな体をしていた。袈裟を着て頭に被り物をした顔の隠れた、しかし間から見える目は殺意に満ちた血眼である男だった。老人は持っていた杖を振りかざして襲ってきた。ユイは大きく下がって燕のいる方向へと間合いを取ろうとし、燕はユイの方へと駆けつけようとした。が、しかしまたも分銅が二人の間に割って入った。跳びそうになった足を止め、老人の攻撃を後ろへとかわす。

一方、燕の前にもユイとの間に狼鬼五人衆の残りが飛び出してきた。その数四人。

「ほっほう。三二郎、無事であったか。」

老人は叫んだ。三二郎という男は顔だけ振り返ってうなづいた。

「よし!第二の陣じゃ!わしがこの小娘を抑える、そっちの小娘を殺れ!!」

返事もなく狼鬼五人衆は同時に動いた。老人は猛攻をふるってユイへ、四人の部下達は燕へ横列を成して駆けていった。

鎖分銅をぶん回して燕へ投げつける。左右の一人ずつが投げ、鎖分銅が宙で交差する。燕はもちろん爆宙して避ける。そこへ続いて短刀が飛んで来た。忍び刀で弾くが交差した鎖の上下からさらに一人斬りかかってくる。素早く対応しようと構えを直すがそこへ先ほどの二人が鎖分銅の反対側を投げつけてくる。すかさず跳んで避け、燕は半身を翻すと森の奥へと駆けていった。

老人の攻撃は馬鹿にしたものではなかった。長く太い杖を起用に振り回して攻め続けるが、しかし守りも固めている。うかずに飛び込めず、ユイは受け流しつつ低い姿勢で華麗に回避していく。老人が身をひねってその勢いで回避したユイ目掛けて杖を振り上げてきた。それをユイは舞う様に回って避け、通りすぎるとともに背を向けた老人の首目掛けて鉄扇を投げつけた。忍び刀と同じ様に鉄扇にも先端に紐がついており、それで引き戻せるようになっている。実際武器を投げ捨てて戦う術もあるがそれは「禁じ手」である。

「!?」

手ごたえがあったがあまりにも固すぎる。ユイは鉄扇を引き戻す。どうやら何か服の首辺りに仕込んであるらしい。老人は身を翻して、ユイの正面から杖をぶん回した。その勢いに負け、ユイの腹に重たい杖の先端が当たる。

「でやぁぁ!!!」

老人の大きな気合とともにユイは広場の中央へと押し飛ばされた。

「クックック!!」

老人はまた意地悪い笑みをうかべた。

「我が着物にはな、いたるところに鉄が仕込んである。急所を狙うだけ無駄じゃ。それと・・・」

言いかけて老人はユイへと飛びかかった。

木々の間隔が狭くなってきた。その狭い間隔の中を鎖分銅が飛んで木々を破壊してゆく。しかも狭いがため非常に避けにくくなっている。一発が燕の左から飛んで来る。危機一髪が身を回して後ろの木の裏へと身を隠すが。目の前の木を突き抜けてさらに分銅が飛んで来る。

間一髪しゃがんで避けるがそこへ短刀が飛んで来る。その状態で、しかも狭い木々の間で忍び刀を振って受けるには狭すぎ、弾いたうちに入らなかった。短刀の勢いで燕の忍び刀がのけぞり、弾かれた短刀は燕の足をかすり、もう一本は燕の右肩を、そしてもう一本は背に刺さる。

「くっ、痛ぅ・・・!!」

最初の二本は声を上げるほどでもないが背に刺さったのは痛かった。何より一方的に攻撃され続ける、相手が見えない、四方八方への警戒、長い張り詰めた極度の緊迫状態が身の負担を倍増している。忍といえど普段ならこの状況下で冷静にいられるものはいない。燕だからこそ、この状況下でも己を保つことができているのだった。だがそろそろ限界に来ていた。ただ、燕の内には諦めはなかった。そのまま地面に手をつきながら膝を突いて呼吸を整えてる。汗のせいで髪がだらっと乱れてきている。

「ハー、ハー、ハー。」

呼吸も荒かった。

「フン、小娘が。」

狼鬼五人衆の一人が闇の中から声を上げた。

「もう終いか・・・ここまで耐えたのは誉めねばな。」

「だが俺達の攻撃をこれだけ受け続けてきたのだ。」

「見えない敵、深い森、仲間とはぐれ仲間の生死もわからない。」

「この極度の精神的負担、これぞ我らが陣!これぞ、我ら狼鬼五人衆が無敵にして最強、何より策士である理由だ。貴様らはこの森に誘い込まれた地点で我らが術中にはまっていたのだ。」

「腕の分、返させてもらった。」

「安心しろ、今頃仲間もあの世行きだ。」




「くっ!!」

ユイは突撃してきた老人の一撃をかろうじで避け、そして跳んで振り回された杖の上を飛び越え、背後に回りこんだ。着地と同時に身を舞う様に回しその勢いで三回転して老人の背中を斬り裂いた。血が吹き飛ぶが、それにかまわず老人は杖を振り下ろしてきた。ユイが一歩下るが老人は完全に振り下ろさずそのまま突きをユイ目掛けて入れる。だがその攻撃パターンは予測できたためユイは間一髪でかわし、その間一髪の勢いで身をまた回し、舞いながら凄い速さで回転し、老人の背を連続で六回ほど斬り裂いた。腕を切断したかったが老人は突くと同時に前に飛び出すため届かない。肉を切り裂く音と飛び散る血。

「ぐぅう!!」

老人は歯を食いしばり、その場で両手を上げてのけぞり状態になった。そこへすかさずユイは足で回転を止め、その止まる瞬間の勢いで身を返して跳んだ。跳んで鉄扇を老人の脳天へと振り下ろす。が、何と老人は当たる直前に身を翻して飛び込み、宙にいるユイの脇腹に杖の重心を振り、当てた。

「なっ!!?」

ユイは激しく斜めの角度から地面を打って倒れる。起き上がろうとすると血を吐く。起き上がれない。これまでにない強敵との長い一戦、さすがに精神的にも疲労が大きい。起き上がれない。起き上がれないが・・・忍だ。忍だから・・・そんな勝手な、そう言い聞かせながら手をついて身を起こそうとした。その時、頭の後ろの長い髪で頭を引っ張り上げられた。

「ぐ、きゃぁぁ!!」

悲鳴を上げながらユイの身を引き上げられた。鉄扇は杖に叩き落とされる。

「不思議そうじゃな、クックック!」

老人は意地悪く笑って見せた。髪を引っ張ってユイの体を引き寄せる。

「教えてやる!我は老いようとも肉体は衰えておらん。強いとは何じゃ、強いとは?強いのは誰じゃ?我が輩だ。そのような攻撃、いくら喰らっても数には入らんわ!!貴様の負ける理由を教えてやろう。」

そう言って老人はユイの頭を引っ張って耳元で叫んだ。

「力の差じゃ!強さとは力!女の、しかもまだまだ成熟しとらん小娘が、どれくらいの力を持っていようか!?所詮男女の力量の差は当たり前!それに、我が輩は貴様らとは、鍛え方が違う!どんな小細工を使おうとも、戦いと鍛錬の数が多い者の方がより強くなる、当たり前じゃ。我が輩の戦いの歴史を甘く見るな!!」

老人は杖を投げ捨て、髪を離して両腕でユイの体を抱いた。

「我が鍛えぬかれし肉体、その身をもって知れ!!」

そう言って老人はユイの体を締め上げ始めた。ユイの叫び声が辺りに響き渡った。




 

「所詮、数は強なりだ!元々我らが数で圧倒的に有利。貴様らに最初から勝ち目はなかったのだ。」

五人衆が一人、四十万は叫んだ。

「これが力の差、これが俺達とお前の強さの違いだ。」

「仕留めるぞ!!」




第二節―――――

「ハッハッハッハー!!」

そう避けぶ老人の頭に影が写った。今宵は綺麗に三日月が出ている。

「ハアァァ!!!」

強烈な蹴りが宙から上下へと大きく振り下ろされ、老人の頭をへし折る様に当たる。そのまま老人は地面へと倒れこみ、解放されたユイは転がり倒れる。

「大丈夫か、ユイ。」

ガクは心配そうに声をかけた。するとユイはガクの手をとった。

「なっ!」

ガクが照れるものの、ユイは引っ張り上げる様に頼む。顔をそらしてユイを引っ張り上げ、肩を貸す。

「もう一人の女は?どうした?」

ユイが森を指差そうとしたがもう少しでへし折れそうだった腕は上がらない。

「しっかりしろ!情けないぞ!!」

ガクが叫ぶ。が、つかの間、背後でのそっと立ち上がる音がする。

「!!?」

ガクが振り返ると、老人はその場に起き上がって首の骨をペキパキ鳴らしていた。

「やってくれるなぁー、若造!」

首を回して老人は言った。

「このクソジジイ、生きてやがったか・・・誰が若造だと、訂正しろこのクソジジイ!!!」

「たわけ、誰がクソジジイじゃ!!年の功の差を知れ!!」

「黙るのは貴様だ、クソジジイ!!」

この口喧嘩にユイの疲れは何故かどっと重くなった気がした。

「言っておく。強さは年の功の差などではない、経験の差だ!」

ガクがびしっと言った。

「服装に小細工入れてるクソジジイが御託のべてんじゃねぇ。」

「フン、」

すると老人は上着を脱ぎ捨てた。上着が宙を舞い、一瞬月の光を隠して二人に闇を落とす。そして地面をぶつかった上着は重い鉄の音をたてる。

「小細工などいらんわ!我が輩の本領を見せてやる、若造!!」

「来な、クソジジイ!!」

ガクは身構えると言った。

「小細工なしのテメェが口先だけってのを叩き込んでやる。」

「ハァァァァ!!!!」

「でやァァァァ!!!」

二人の拳が唸った。上段下段中段と素早い三打撃をお互い交わし、最後にお互いの腕が交差して互いの頬に炸裂する。が、どちらも退く気はない面をしている。

「フン、やるな若造。じゃが、最後は二人まとめて殺ってくれるわ!」

「罵声のいいクソジジイが」

ガクが睨んで言った。

「勘違いするな、クソジジイ!貴様の相手はこの俺だ!!」




「!?煙玉か!?」

五人衆の一人、十六夜は叫んだ。鎖がいっせいに燕に向かって飛んだ時に煙が発生した。

「きゃぁぁぁぁああ!!」

燕の悲鳴が地面や木々が吹っ飛ぶ音と同時に響き渡った。

「フン、所詮悪あがきだな。」

「あの状態だ。もはや避ける気力もあるまい。」

「そうだ。それに今のは仕留めの技、四封陣、我々四人が同時に攻撃し、逃げ場を失くし確実に仕留める技、我々がどこにいるかもわから・・・」

男の途切れた声はすぐに悲鳴に代わった。

「ぐぅぅぐあああああぁぁぁ!!!!」

「!!!?」

「おい、四十万!!おい、どうした!!?」

「ぐぅぅ・・・ぐぅああぁぁ!!!」

一度止まりかけた悲鳴は再度響いた。

「くっ、ひでぇ。一体何が・・・!?」

辺りを見渡し、五十嵐は気づいた。燕がいないことを、まだ仕留めていないという事実に。

「おい!!いるぞ、や、奴だ!!や・・・」

すぱんと綺麗な斬撃が辺りに響いた。その後は、大量出血の音と木の上から死体が落ちる音。

「五十嵐―!!」

叫んだ三二郎だった。

「く、くそ!一体ど、どこに、それに何故・・・!?」

辺りで茂みが動いた。と思うと今度は異常な速さで何かが茂みと森の中をうごめいている。

「く、十六夜!!十六夜!!答えてくれ!!い、いるのか!!?」

十六夜は答えなかった。

判る限り、あたり一面の茂みが同時にうごめいている。異常な速さだ。同時に撹乱攻撃だろうか。と、動きが止まった。一瞬の静寂の後、茂みから何かが飛び出してきた。三二郎は分銅を振り回し、それに見事当てた。

「や、やったか!?」

落ち着いて見てみると飛んできたのは五十嵐の頭だった。

「ぐぅ、うわぁぁあ・・・・・・あ・・・」

叫ぶ三二郎の真上から忍び刀が脳から背骨を貫いた。

「はぁー、はぁー、はぁー・・・。」

燕は忍び刀を抜いて、息をこらえる。

「!」

燕は三二郎の身を引っ張り、その後ろに隠れた。三二郎の体に短刀が三本刺さる。死体を放し、跳ぶ。

「(逆手を盗られたか・・・。まさかな。見えない相手に対する恐怖心、精神的に相手を追い詰めるためにあえてあのような殺し方を・・・。奴は我々の声から我々の正確な位置を割り出していた・・・煙球は単なる時間稼ぎ!)」

十六夜は頭の中で推理した。

「(場所を割り出したのも、この素早さも、忍であるがこその・・・忍、侮るべからず!)」

短刀を片手に、十六夜は跳びだし、燕の方へと回り込み始めた。

燕も限界に来ていた。だが最後の一人、最後の一人は容赦なく短刀を投げ続けてくる。燕は何とか、木の陰に隠れ、避ける。息が切れそうだ。だが、こんなところで死ぬわけにはいかなかった。燕にとって相手は、言えば単なる山道。『奴』と言う、頂上へ辿りつくまでは死ぬわけにはいかない。『奴』までたどり着くために強くならなくてはならない。

燕は飛び出していった。案の定相手も丁度飛び出してきた所で、相手も驚きの表情を見せたが今更退けず、突進してきた。投げてきた短刀を弾くが、それで体勢を崩された。そこへ十六夜は飛び込んで短刀を投げつけてきた。が、体制を崩して後ろのめりに倒れると同時に、燕は弾いた短刀を足で蹴り上げていた。その短刀は見事十六夜の腹に刺さった。

「ぐっ!!」

歯を食いしばって堪え、最後に短刀を投げ下ろそうとしたが・・・燕はそこへもう一本短刀を忍び刀で打ってきた。それが見事に、胸に刺さり、短刀は腕から零れ落ちた。後ろ向きに倒れた燕、だが背にさっきの短刀が刺さったままだったため、激痛が走った。受身を取れず、急いで身を翻し、零れ落ちた短刀を背に受ける。




「終わりじゃあ!!」

老人の拳が唸った。だが、ガクはそれに飛び込んで老人のアゴへと見事拳を決めた。老人の拳が入る前にガクの拳が入った。

「なっ!?」

「いいかクソジジイ、」

ガクは言った。

「俺は貴様みたいな、うぬぼれたクソ野郎が大嫌いなんだよ!!」

そう叫んで老人の腕を掴み背負い投げをし、腰を思いっきり捻った投げを決めると、腕を放すと同時にその勢いで回し蹴りを宙で逆さになった老人のこめかみにぶち込んだ。思いっきり鍛えられた老体は大きく吹っ飛んだ。

「はぁ・・・、あの人、もう起き上がらないよね?」

ユイが座り込んだ状態で聞いた。

「ああ。」

ぶっきらぼうに返事を返し、ガクは老人の首の骨をへし折った。

「このクソジジイ。」

「ふぅ〜、その人本当に人間?」

「どうであれ、もう死んだ。人じゃなかったら妖怪腐れ外道だな、このクソジジイ。」

ガクはそう言ってユイの傍まで戻った。丁度そこへ森の中から燕が姿を現した。

「燕!!」

ユイが声を上げた。血まみれになって、足を引きずる様に燕が出てきた。すぐにそれは他者の血だとわかったが、どっち道燕の負担は大きかった。負った傷よりは精神的によるものと、それによる肉体的負担が大きかったようだ。燕は悲鳴を上げて敵を欺くために背の短刀を自ら差し込んだらしく、それをガクに抜かせた。

「罠とはな、舐めやがって。」とガク。

「ガクちゃんは大丈夫だった?」とユイ。

「当たり前だ!それに・・・ちゃん付けは止めろっ!」

ガクは怒鳴った。静けさを取り戻した森によく響き渡った。

「さっきの爺さん並みね、やめてよ。」

「あんなクソジジイと一緒にするな、大体・・・なんでつぇーのは俺の方へよらん!?」

「ガクちゃんじゃ手に負えないからじゃない?」

ユイは明後日の方向を向きながら言った。

「なんだとー!?それに・・・ちゃん付けは・・・!」

憤慨するガク。

「はい、そこまで。少し休んで傷の手当てをしたら、早いところ戻りましょう?」

「賛成。」

燕が振り返る。



そんな三人の様子を見届ける者がいた。広場を囲む森の中から闇に潜んでその者は木に背もたれして見ていた。

「あの装束・・・」

傘の男は独りつぶやいた。

「フン・・・。あの男と会える機会が回ってくるとは。」



長居は無用、燕達は三十分後には移動を始め、四時間が立っただろうか。三人はよく

「巣」

から遠出する際に休むために使う無人の村に泊まった。といっても完全に古さびた民家しかないが、念のために包帯など、手当てに必要なものや忍具も隠しておいてある。三人は手当てをし、日が昇るまで休むことにした。





第六話 ―続―




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